作家的な構造物の「建築」がいまいち日本では理解されていないようです。文学作品とノウハウ本を比べてもらうと分かりやすいと思います。字を自由に描くのと、構造物を建てるのは比較してはいけませんが、文学作品の作家が、構造物を建てるのに舵取りをしたものが「建築」と言っていいものです。作家のアイデアがストーリーとなり建築物として存在することになります。ものの強弱で空間の雰囲気をつくっていきます。
ノウハウ本は作り方、係わるにあたっての要点等が紹介されていて、私がよく批判する事務作業に近い「建物」になります。
面白味や価値はアイデアの中にあり、技術はその次に来るものだという認識が日本にはまったくまだ無い。道具が増えて、立派な建設会社は存在していると思います。
「どういう考えでこの建築はできているのですか?」という観光客に説明できる、解りやすく、楽しい建築ならいいのですが、アミューズメントに入っていってしまって、今までの日本は置き去り状態になっています。
出版業界の建築家も事務作業に入っていく状態なのでなおさら分かりづらい。