LAND USE

日本的

先日、奈良の薬師寺東塔を久々に見てきました。改まって見るとまるで日本人がそこに建っているような姿でした。私的には塔は法隆寺五重塔が好きなんですが、薬師寺東塔は屋根が6つ出ているのですが、凸凹変則的な重なりになっていることに気が付きました。それが連続感の硬さを和らげる効果を出していてまるで日本人のようでした。断面図を確認すると構造材から持ち出している「裳階」というのが三重の塔の下に付いていて、屋根の出が少ないのと「裳階」の下端が浮いているので、独特な塔になっていることに気づきました。荷重が掛かっていない分空気を含んだような「裳階」が後から付け加えられて、日本独自な造形ができたのだと思います。

瓦屋根に現代的なライフスタイルを合わせるのに考えたことが、天平の時代にすでに作り出されていたことに歴史と風土を感じ、これが古典の存在意義だと思いました。

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