岸和田城の重森三玲の八陣の庭を見に行くと、丁度閉まっていて見れなかったのですが、近くの岸和田だんじり会館を見ることができました。関空と同時期に竣工したその会館は一癖も二癖もある面白い建物なのですが、中に置かれている地車は、民衆(市民)の心意気を感じられるすごくパワーのある造形物でした。細かなところでは彫刻のモチーフや出来栄えが素晴らしく、観光客の素通り高齢者コースにしておくにはもったいない感じがしました。御神灯にも通じる提灯の立ちぐあいや、地車の屋根の庇ラインなどは歴史の年月で積まれた造形で、ここにあったかと感嘆しました。沢山の人が集まる祭りで多くの人が関わることが、より現代にとってすごく面白い行事であることが感じられました。地車に凝縮された情報は、率直に言わせてもらうと世界でも他に類を見ない一級だと思います。
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